草の根・人間の安全保障無償資金協力「プララン・コミュニティにおける救急・災害対応強化計画」引渡式

令和元年11月6日
11月6日,プララン島において「プララン・コミュニティにおける救急・災害対応強化計画」の引渡式が開催されました。

本事業は,セーシェル赤十字社が救急車1台を調達し,プララン島における災害時や急病人発生時の患者移送体制及び救急処置に関する研修の質の向上を目的としています。本事業の実施に当たり,日本政府は同団体に対して979,700セーシェル・ルピー(約900万円)を供与しました。

プララン島は,2004年のスマトラ沖地震や2013年の熱帯サイクロン等の大規模な自然災害の度に大きな被害を受けていますが,災害時や急病人発生時に対応できる救急車が島内に2台しかありませんでした。このうち1台をセーシェル赤十字社が保有していましたが老朽化が進み,車両故障により緊急時対応ができない事態や,不足している医療設備があるために十分な初期対応ができない事態が発生していました。本事業により,通年で救急・災害対応が可能となりました。また,同団体が地域住民を対象に実施している救急法の研修時には,救急車に搭載されているAED等の救急・救命器具を利用することも可能となります。

本式典において堀江特命全権大使は,セーシェル赤十字社及びプララン島住民の代表者に対して,本事業の完了を称えるとともに,救急車の有効活用を期待すると述べました。

セーシェルにおける草の根・人間の安全保障無償資金協力は2015年に開始され,本事業は2件目となります。これまでに環境,保健,教育分野のプロジェクトが採択されています。

供与された救急車の前で関係者による集合写真
 
     
堀江特命全権大使より被供与団体代表タマター氏に対して,
救急車の鍵を譲渡しました